たぶん,アメリカについてもっとも誤解されているもののひとつが医療事情だと思います.日本にいてテレビや新聞・雑誌などを通じて入ってくる話をもとに想像すると,(a)アメリカはたいへんに医療が発達した国で,(b)みんなが日本では受けられないような高度医療の恩恵にあずかっているようなイメージをもってしまうと思うんです.
しかし,実際には(b)の部分がまったくの誤解で,事実上アメリカは先進国の中では もっとも医療事情が悪い国だといって間違いないと思います.公的保険(日本の国民健康保険にあたるもの)はないし,医療費は異常に高いしで,ちょっとしたことですぐに数万円・数十万円のお金がかかってしまうので,みんな病院が大嫌い.よほどのお金持ちでもない限り,めったなことでは病院にいきません.ちょっとくらい体調が悪くてもスーパーで薬を買ってごまかしておくのがアメリカンな感じです.
しかし,実際には(b)の部分がまったくの誤解で,事実上アメリカは先進国の中では もっとも医療事情が悪い国だといって間違いないと思います.公的保険(日本の国民健康保険にあたるもの)はないし,医療費は異常に高いしで,ちょっとしたことですぐに数万円・数十万円のお金がかかってしまうので,みんな病院が大嫌い.よほどのお金持ちでもない限り,めったなことでは病院にいきません.ちょっとくらい体調が悪くてもスーパーで薬を買ってごまかしておくのがアメリカンな感じです.
こんな状態なので,当然処方箋のいらない市販薬の市場はよく整備されています.処方箋なしで購入できる市販薬の種類は日本とほぼ同じですが,値段は おおむね安くて,普通のスーパーマーケットやコンビニで薬を買うことができる(薬剤師さんでなくても薬を売ることができる)のでとても便利です.
具体的に値段はどれくらい違うのかというと…代表的な頭痛薬のバイエル アスピリン(わかりやすくいうとバファリンみたいなもの)で比較すると…
- バイエル社はドイツの有名薬品メーカーです.解熱鎮痛剤のアセチルサリチル酸のことを通称アスピリンと呼んだりしますが,これはこの製品の名前からきています.世界中どこでも手に入るので海外に行く機会が多い方には便利です(旅先で体長が長く No No 体調が悪くなったときとか,いつもと同じ薬が手に入ると安心ですものね).
- 日本では1錠500mgで1回1錠,アメリカでは1錠325mgで1回2錠(つまり1回650mg)と,1回に飲む量が違う指示になっているのですけど,まぁ,そのあたりの細かいことは目をつぶりましょう….たぶん日本人とアメリカ人の平均体重がそのくらい違っているのだと思います.
- 日本のお値段はウェルパークの店頭価格(マツキヨとかも同じ値段だと思います)を参考にしています.為替レートは今日は1ドル115円で計算しています.
日本でも最近はドラッグストアの店頭などで「○○と同じ成分でこのお値段!」とか書いてある手書きのタグをよく見るようになりましたが,アメリカのコピー薬はもっとわかりやすくて なんとパッケージ自体に「この製品はP&Gが製造・販売しているVicks DayQuil LiquiCap(R)ではありません」みたいな感じにどの製品のコピーなのかを明示してあるんです.うわっ,開き直ったなって感じなんですけど,「…ではありません」といっているわけだから,反則じゃないですよね.
なんだか医療まわりは もっとおもしろいネタが転がっていそうな気がする今日この頃です….
■ほんとにイタイ アメリカの救急車(追記 2006-04-04)
コメントで こってりさんがアメリカでは救急車でもお金をとられるというお話を書いておられますが,コレ,正しいです(ぼくのコメントまちがっていますので訂正します).
アメリカには公的な機関が運営する救急車というのはなくて,私企業が登録して救急車を運営しているので,値段はマチマチですが,もっともシンプルな 単に病院まで運んでもらうだけのサービスを利用した場合で400ドル(1ドル117円換算で4万6800円)程度必要になります.この値段は3年前に救急車を利用したことのある同僚から聞いたものですので,今はもう少し高いだろうとのことでした.
アメリカには日本の国民健康保険にあたるものはなくて,個人で保険会社の医療保険に加入してするのですが(よい会社に勤めている場合は会社が相当額を負担してくれますけど 普通は全額自分で払う覚悟が必要かもしれません),普通の医療保険では,400ドルの費用のうち,50ドル程度を利用者が負担,残りを保険会社が負担する契約になっているのが普通らしいので,医療保険をもっていれば,50ドルほどですむことになりますが,やはり無料にはなりません.
保険会社は,保険契約者が保険に加入したことで気軽に救急車を呼ばれては困るので,ペナルティ(英語ではdeductibleといいます)として1回50ドルくらいずつ利用者に負担させるようにしているようです.もちろんこのペナルティの額は契約している保険によるので,もっと払わないといけない場合も少なくないと思われます.
コメントで こってりさんがアメリカでは救急車でもお金をとられるというお話を書いておられますが,コレ,正しいです(ぼくのコメントまちがっていますので訂正します).
アメリカには公的な機関が運営する救急車というのはなくて,私企業が登録して救急車を運営しているので,値段はマチマチですが,もっともシンプルな 単に病院まで運んでもらうだけのサービスを利用した場合で400ドル(1ドル117円換算で4万6800円)程度必要になります.この値段は3年前に救急車を利用したことのある同僚から聞いたものですので,今はもう少し高いだろうとのことでした.
アメリカには日本の国民健康保険にあたるものはなくて,個人で保険会社の医療保険に加入してするのですが(よい会社に勤めている場合は会社が相当額を負担してくれますけど 普通は全額自分で払う覚悟が必要かもしれません),普通の医療保険では,400ドルの費用のうち,50ドル程度を利用者が負担,残りを保険会社が負担する契約になっているのが普通らしいので,医療保険をもっていれば,50ドルほどですむことになりますが,やはり無料にはなりません.
保険会社は,保険契約者が保険に加入したことで気軽に救急車を呼ばれては困るので,ペナルティ(英語ではdeductibleといいます)として1回50ドルくらいずつ利用者に負担させるようにしているようです.もちろんこのペナルティの額は契約している保険によるので,もっと払わないといけない場合も少なくないと思われます.