SCRUM 開発手法メモ

目次

0. 基本的な考え方

この前提にたち,下表の右欄のような考え方で開発を進める.

従来手法 SCRUM
・あらかじめすべての要求を収集
・見積(期間・人数・費用)を作成
・計画に沿って遂行
・どのくらいの期間・人数で仕事をするかを決定
・その範囲で重要なものから順につくる

誤解を恐れずいえばこんな感じ(エライ人に見つかったら怒られそうだけど ^_^;)

さらに

以下に SCRUM の3つの基本概念を説明する.

1. Events

1.1. スプリント(Sprint)

SCRUM手法はとにかく「短く区切って繰り返す」のが特徴.その基本単位がスプリント.

1.2. スプリントの中の4つのイベント

1回のスプリントの中には下記の4つのイベントがある.

イベント名 いつ 時間 出席者 内容
PO SM
Sprint Planning 初日 4 時間 今回のスプリントで具体的に何をするかを計画する会議.
・何をするか(スプリントゴール)を簡潔に書き出しておく.
・プロダクトバックログから今回のスプリントで実施する項目を選び,中身の具体化,タスクへの細分化・見積もり,完成と判断する基準(受け入れ基準)を決める.
・具体的なタスクを洗い出して計画をたてる(スプリントバックログの作成).
Daily Scrum 毎日 15 分 通称「朝会」.毎日15分みんなで集まって下記の内容を共有する.
・昨日やったこと
・今日やること
・困っていること(何かがジャマして作業を進められないなど)
Sprint Review 最終日 2 時間 ・今回のスプリントでできあがったモノをお客様の前でデモしてフィードバックをもらう会.
・プロダクトバックログの共有(進捗・見通しの共有)と見直し.
Sprint Retrospective 最終日 1.5 時間 通称「反省会(ふりかえり)」.みんなで「どよーん」とする会というわけではなく,次のスプリントではこうしようなど仕事がうまく進むようになる案を話しあう会. ふりかえり,いわゆる反省会.みんなで「どよーん」とする会というわけではなく,次のスプリントではこうしようなど仕事がうまく進むようになる案を話しあう会.

2. Rolls(役割)

Scrum Team 内には下記3種類の役割(Rolls)の人がいる. Scrum Team 外の関係者のことを Stakeholders(ステークホルダー,利害関係者)と呼ぶ.

2.1. Product Owner(プロダクトオーナー)

2.2. Developers(開発チーム)

2.3. Scrum Master(スクラム マスター)

3. Artifacts(作成物)

A. 実践的ノウハウ

A.1. 見積もり

A.2. チームの処理能力(velocity)

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推薦書籍

SCRUM BOOT CAMP THE BOOK 【増補改訂版】,翔泳社 2020.
簡潔かつ実践的な内容にまとまっていて短時間で要点が把握でき(1日あれば十分),すぐにSCRUM開発を試しはじめられるようになると思います.
実は本家 SCRUM GUIDE も わずか18ページしかなく簡単に読めるのですけど実践につなげられるかというとかなり疑問.この本のように,ほどよく実践への応用と現実的な妥協点を示してくれるガイドが必要だと思います.
この本は276ページありますが,本家 SCRUM GUIDE が扱ってる範囲に近い基礎編は21ページにまとまっていて,残りは実際にSCRUMをはじめるとハマりそうな問題の対処方法を扱った実践編になっています. 従来的な開発方法とSCRUMの違いを素早く知りたいというような方であれば基礎編21ページだけ読むのもいいですし,実際に試行錯誤してみたいという人はトピックごとに実践編を追加で読むというような方法でも活用できると思います.