コミック・ガンボ(写真はvol. 20) |
厚みはこのくらい…少し薄めな印象 |
国内初の無料マンガ誌.2007年01月16日創刊.
誌名 | コミック・ガンボ(COMIC GUMBO) |
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創刊日 |
2006年01月16日 1月16日と17日にJR山手線主要駅にて配布 |
発行部数 | 10万部/週 |
配布サイクル | 毎週火曜日・水曜日 |
版元 |
株式会社デジマ 2005年9月創業のベンチャー出版社. |
R25以来,フリーペーパーが注目をあびているが, コミック・ガンボは通常のフリーペーパーとは違い,広告収入を狙って無料配布を選択したわけではなさそう. 創刊号は12本だて230ページと,通常の週刊マンガ誌と比較すると若干ページ数が少なめになっているものの, 作家には江川達也氏をはじめ商業誌で活躍する人気作家を起用しており,無料であること以外に一般の商業誌との違いが感じられない. [無料誌なのでページ数についてはいつでも増減させられると思う. 対価格比でどのくらいのボリューム感がないといけないという議論にはならないことを考えると,1作品のページ数と作品の質だけが議論の対象になるのかも. なお,週刊のマンガ雑誌のページ数については下の表を参照.] 広告のページ数も約1割と低く抑えられており,広告やタイアップページが半分以上にもなるフリーペーパーよりも通常の雑誌に近いレベルにとどまっている.
サイクル | 誌名 | ページ数 | 作品本数 | 価格 | サンプルした号 | |
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週刊 | コミック・ガンボ | 230 | 12 | 0 | 創刊号(2007年 1.16) | |
週刊 | 週刊少年ジャンプ | 466 | (462) | 21 | 230 | 2007年08号 |
週刊少年サンデー | 496 | (485) | 24 | 250 | 2007年08号 | |
週刊少年マガジン | 480 | (477) | 25 | 250 | 2007年08号 | |
週刊少年チャンピオン | 448 | (444) | 25 | 240 | 2007年09号 | |
週刊ヤングジャンプ | 478 | (474) | 25 | 300 | 2007年07号 | |
モーニング | 432 | (404) | 26 | 290 | 2007年 No.8 | |
隔週 | ビッグコミック | 358 | (358) | 12 | 270 | 2007年 1.25 |
ビッグコミック オリジナル | 346 | (344) | 20 | 260 | 2007年 2.5 |
ページ数および収録作品本数の分布 左下の赤い点がコミック・ガンボ. 中ほどの青の2点がビッグコミック系,右上の緑の一群がジャンプなど,大量に部数をさばく週刊誌. |
収益構造について,週刊東洋経済2007年02月03日号[2]は次のように分析している.
(1) | 月額500円のネット上の会員サービス. コミック・ガンボの過去の連載作品をネットで読めるようにしており,このサービスは月額500円の有料サービスになっている. |
(2) | コミック販売.2007年上期中に無料誌の連載作品のコミック発売を開始する予定. |
(3) | 広告収入. |
ソフトバンクグループのイーブックス・システムズが2007年01月19日に発表した 電子書籍ポータルサイト“Flib”(フリブ)にてコミック・ガンボの配布が行われるとの発表があった[3]. Flibは(とりあえず今のところ)無料の電子書籍だけを集積している点が特徴[今後有料の電子書籍を扱う可能性はあるらしい]. コミック・ガンボは無料で配布できて集客が見込める格好の材料だったかもしれない. コミック・ガンボの側から見ても,上記の収益構造を想定していると考えると無料誌の配布量は多ければ多いほどよく, かつ,自力で手配りするのと違って,ほとんどコストゼロ,読者の側からとっていってくれる電子書籍という形態はありがたいように思う. また,電子書籍を読む人は,月額500円のWeb有料会員(1)になる潜在顧客である点も重要かも.
[1] | コミック・ガンボ ホームページ |
[2] | 週刊東洋経済 2007年02月03号,ニュース最前線“話題の無料マンガ誌いったいどこで稼ぐ?” |
[3] | インプレス Broad Band Watch 「コミック・ガンボ」などが読める無料の電子書籍ポータル「Flib」 |