SSID (Service Set ID)
アクセスポイントおよびクライアントに設定するIDで,同一のIDをもつ機器のみ通信を許可する. 同じアクセスポイントを利用する機器のグループIDとしての働きをもつ.
SSIDは暗号化されていないため,SSIDがバレてしまうと不正にアクセスポイントを利用されてしまう. 無線LAN機能を実装した機器の多くが自動でSSIDを検出する(この機能はWindowsXPにも実装されている)ため, 実質セキュリティとしての効果はない.
また,クライアント側のSSIDを“ANY”にしたり空白にしておくと,すべてのSSIDを利用可能になる. したがって,アクセスポイントの設定でANYや空白文字列によるアクセスを禁止しない設定になっていなければ, SSIDを知らなくてもアクセスが可能になる. 古い無線LANアクセスポイントの場合,デフォルトがANYアクセスを許可する設定になっている場合があるので注意が必要.
複数のアクセスポイントに同じSSIDを指定してもかまわない. 複数のアクセスポイント間を移動しながら利用するような場合には,この方が便利なので, 例えばオフィス内のすべてのアクセスポイントに同一のSSIDを設定しておくというような使い方はわりとポピュラーかもしれない.
WindowsXPはSSIDを自動で切り替える機能がついているが, Windows2000にはこの機能がないため,手動でSSIDを再設定しなければならない. WindowsXPのSSID自動切換え機能も,切り替えには通信が切れたのち15秒程度かかるといわれているので, 可能であれば同一のSSIDを使っておくのがよいかもしれない.
※現在の無線LANクライアント機器の実装では“移動しながら”の利用はあまり考慮されていないかもしれない. というのが,建物内のすべてのアクセスポイントに同じSSIDを設定してあっても, クライアントの方は“なるべく現在使用中のアクセスポイントとの接続を維持しようとする”実装になっているため, 移動したことで現在使用中のアクセスポイントからの電波状態が悪くなり, 別のアクセスポイントからの電波が良好な状態になっても, 現在使用中のアクセスポイントとの接続が切れない限りはそちらを維持しようとしてしまうようになっているからだ. したがって,結局電波状態を見ながら手動で切断・再接続を行うことになってしまったりする. PHSとかだと移動しながらの利用が想定されているため,端末が自動で最適な基地局を選ぶようになっているんだけどなぁ.
※WindowsXPの“ワイヤレス ネットワーク接続”機能には十分な機能がサポートされていて, 無線LANカード付属のユーティリティを使用しなくても, アクセスポイントの検索や選択(切り替え)ができるようになっている. ただ,WindowsXPのワイヤレスネットワーク接続の機能を利用するためには専用のデバイスドライバが必要になる. かつ,パッケージに“WindowsXP対応”とかかいてあるにもかかわらず, これが“WindowsXPでも動きます”くらいの意味で, WindowsXPのワイヤレスネットワーク接続の機能がフルで動くようになる WindowsXP専用デバイスドライバが入っていますという意味ではないこと少なくない.