PRS DGT Semi-Hollow Limited 2024
PRS DGT Semi-Hollow
Limited Edition 2024 ハードケースの内装がDGT専用のロイヤルブルーになってるのもカッコいいです. |
Gibson’s Wide World of Weight Relief より. New Modern Weight Relief のボディー構造. |
PRS Guitar & American Vintage Guitar Show 2024 |
メイン機として使っていた PRS McCarty 594 と PRS Custom 22 が重くて(それぞれ 3.57 kg と 3.45 kg)たいへんなので,これらのかわりに使える
- 軽くて
- 22フレット Wide Fat ネックで
- トレモロ付き(ストップテールピースは PRS Paul's Guitar 2022 を使用中)
11月16日に行われた PRS Guitar & American Vintage Guitar Show 2024 で出店してた4店の個体を見させてもらって,その後追加でイケベ楽器さん保有の2個体も見たんですけど(合計6個体),悩みに悩んだ末,杢目が一番好みなイシバシ楽器店の個体にしました.
重量 | 3.16 kg |
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カラー | McCarty Sunburst |
ハードウェア |
2ボリューム,1トーン 3点トグルスイッチ |
この個体の重量は 3.16 kg.最軽量個体は Guitar Planet 御茶ノ水店さんとイケベ楽器リボレ秋葉原店さんのもってた個体で 3.12 kg. スマホとかなら大きな差でしょうけど,3 kg 以上あるギターの 40 g,割合でいうと 1% ちょっとの違いなので実際違いはわかりません. これまで 3.45 kg の Custom 22 を使ってたので,どちらもすごく軽いなって感じです.
木目は Limited Edition の少しよいアーティスト グレードなので,どの個体もそれぞれにいい味があってホント悩ましかったんですけど,ちょっとワイルドな感じの太めの杢目が好きなのでこの個体にしました. ちなみに色は McCarty Sunburst の1種類しかないので,ほんとに選択ポイントは杢目だけです.(あ,あとはヘッドのサインが手書きらしいので1本1本ちがってます.人によってはここも選択ポイントかも? ^_^;)
弦が専用ゲージですけど…?
結論からいうと
- 10-46 に替えました.
-
なんと 10-46 に替えてもトレモロのバネの調整は不要でした.
つまり 10-46 と DGT仕様の 11-49 を気分で張り替えて使えます!
DGTていろいろわがまま仕様なのですけど,一番問題なのが弦です.他のPRSのギターは 10-46 ゲージなのですけど,DGTだけはひとつ太い 11-49 というのが張られています.
これをそのままにするか,他にあわせて 10-46 にするか…
という悩みが発生します.
ゲージが1段細くなると,当然トレモロのバネを緩めないといけないと思ってたんですが,イシバシ楽器さんに協力してもらって実際に
10-46 に張り替えてみたら,トレモロは ほぼ水平のまま.プロの目だと微妙に(0.2 mm くらい?)後ろが下がってるかもことでしたが,少なくとも
ぼくの目には まったく違いがわからなかったし,弾いてみても違和感ゼロでした.
なんでそんなの悩んでるの? 10-46に替える(そして必要ならバネ調整する)の一択では?って思うかもしれないのですけど,実際に弾いてみると,ファクトリーセッティングの
11-49 ゲージの弦,普段 10-46 しか弾かない
ぼくが弾いても全く違和感なく弾けるんです.おそらく「ゲージが太い」て教えてもらわなかったら気づかないまま使ってそうな感じでした.
ということは,演奏上問題ないのに,わざわざ音が細くなってしまうリスクを負って 10-46 用にトレモロを調整して 11-49 にもどれなくしてしまうのか?って気がしてきて,なかなか悩ましかったんです.
トレモロなしならバネ調整問題がないから,どうでもよかったんですけど.
しかし,実際に張り替えてみたらセッティングを替えずに 10-46 と 11-49 のどちらも使えることがわかって,これはオトクな感じでした.
D'Addario NYXL と同じ香りがする…
あと,PRS Signature Guitar String 10-46 に張り替えたばかりのギターを家に持ち帰って弾いてて気がついたのですけど,たぶんこの弦,D'Addario NYXL をベースにエンドボールを替えたりハンダ加工をしたりして作られてるのかなって思いました.いつも使ってる NYXL によく似た雰囲気の音のハリ感です.
地味にうれしい2ボリューム・3点トグルスイッチ
フロントだけボリュームを絞ってクリーンにしておいて,トグルスイッチ一発でクリーンとドライブを切り替えるとかできて便利です. あと,フロントのボリュームをゼロにしておいてトグルスイッチを全力で切り替えてキルスイッチみたいに使うのもできます.
ところで,ぼくは Custom 24 とかの 5-way スライドスイッチが好きじゃありません.あれってみなさん演奏中に2とか4の位置にパッと止められるものなんですかね? 演奏中に切り替えようと思ったら3点トグルしかないんじゃないかなぁ…なんて思ったりしてます.
ちなみにトーンノブを引っ張るとコイルタップされてシングルコイルになる仕様なのですけど,McCarty 594 とちがってフロント・リアの両方が同時にタップされる仕様です. あと,このノブを引っ張る方式って,演奏中に押し込んでハムバッカーにもどす操作はできますけど,引っ張り上げてタップする方はムリじゃありません? なので,使い方は限られるのかなぁ…なんて思ったりしてます.Paul's Guitar 2020 モデルや Custom 24-08 みたいにミニスイッチだとよいのですけど.
Custom 24 のコントロールの例 5-way スライドスイッチのポジション 2 や 4 て演奏中にちゃんとこの位置に止められるんスカね? ぼくは3点トグルじゃないとムリッて思ってるんですけど. |
Mark Tremonti Signature の3点トグルの例 こんな感じで{フロント,真ん中,リア}くらいでないと演奏中にパッとは切り替えられないッスよね? 真ん中すらいらないくらいだと思ってるんですけど. |
その他のDGTわがまま仕様
DGTてホントにいろいろわがまま仕様で,弦以外に
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ネックも専用形状
- ナット側が Pattern ≒ Wide Fat 系でボディー側が Pattern Vintage に近い感じになってるそうです. ぼくには Wide Fat との違いがわからなかったですけど. あ,でもそもそも ぼくは Wide Fat と Pattern Vintage の違いもわかってないから当たり前か (^_^;)
- フレットも標準より少し大きいものを使用(これも Custom 22 や Paul's Guitar との違いがわかりませんでした ^_^;)
- インレイも PRS の象徴みたいになってるバードインレイじゃなくてムーンインレイ(普通のドットインレイみたいなやつ)
- トレモロがわざわざ1世代古い Gen II(なぜ!? ^_^;)
- ピックアップも少しゲインが高めの専用品.
塗装が白濁?
しないらしいです.
そもそもどうして白濁を起こすかというと,透明な下敷きみたいな粘土の高いプラスチックを折り曲げると曲がった部分が白濁しますよね.
あれと同じで木の本体が湿気を含んで膨張したり・乾燥して縮んだりするとウレタンが引っ張られてだんだん白濁してくるという仕組みらしいのです.
つまり透明なウレタン塗装を使う限り仕方ないということのよう.
で,PRSはどう対策してるかというと…
2012年以降 | V12フィニッシュ(ウレタン塗装 2012 年改良版) |
2018年以降 | 下地がウレタン.トップがラッカー. |
2022年以降 | オールラッカー塗装. |
なんだそうで,2022年以降製造のモデルはオールラッカーになったため,根本的に白濁する問題は消滅しました.けど,今度はラッカー塗装がそもそも弱いっていう Gibson と同じ問題がでてきそうな気もしなくもないですけど.ちなみに ぼくが所有している個体はいずれも塗装の白濁を起こしたことないんですよね.