以下のように設定を変更する.
タブ | 設定項目 | 選択する値 |
---|---|---|
Advanced | Intel Virtualization Technology | Enabled |
Security | Secure Boot | Disabled |
Boot | Boot Mode | Legacy |
現象 | DVDやUSBからubuntuを起動すると問題なく動作するのに,内蔵SSDにインストールすると起動途中で停止してしまう.あるいは,起動に10分前後かかるなど非常に遅い状態になる. [黙って10分も待つ人はマレで,普通はハングアップしていると思ってリセットをかけたりすると思います.私の場合は,原因を調べるため別のマシンで web の情報をあさっていたら,ハングアップしていたはずの ubuntu が忘れた頃に突然起動して,ものすごいスローダウンが起こっているだけでハングアップしてるわけではないんだと気づきました.] |
---|---|
原因 | Native Command Queue (NCQ) に対応していない SSD に NCQ コマンドを発行してしまい,非 NCQ コマンドとの排他制御が生じてディスク アクセスが大幅にスローダウンする. |
対策 | Grub で NCQ コマンドを発行しないようカーネル パラメタ“libata.force=noncq”を設定する(具体的な手順は後述). |
図1 Grub 起動オプション編集画面(クリックで拡大全体像を表示) |
とりあえず,うまく起動するようになったら,次に恒久的な対策を行います.
エディタで /etc/default/grub を開いて下記の箇所に,先ほどと同様に“libata.force=noncq”を追加してください(参考:変更後のgrubの例).
$ sudo vi /etc/default/grub
変更前 | GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="quiet splash" |
変更後 | GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="quiet splash libata.force=noncq" |
編集がおわったら次のコマンドを実行して設定を反映します.
$ sudo update-grub
以上で対策は完了です. 正しく対策ができていれば,起動・終了ともに7〜10秒程度になると思います(もちろんマシンによるので正確な値ではありません).
[1] | Sony VAIO Pro 11/13 2013年10月発売モデル. |
[2] | Sony VAIO リカバリーディスク送付サービス 2014年12月時点では VAIO は購入時にはリカバリーディスクの追加ができなくなっています.商品が届いたのちに,ユーザー登録をするとリカバリーディスクの申し込みができるようになりますが,PDFを紙に印刷して住所等や製品シリアル番号等を手書きして郵送 or FAX,支払いは代金引換(代引き)のみ,納期は申込書到着後1週間前後と,何重にも心が折れるサービスです.自力でUSBメモリーなどにリカバリーメディアを作成しておくほうがよいでしょう….その際,USBメモリは USB 2.0 専用品(USB 3.0 非対応品)でなければならないことを お忘れなく. |
[3] | 東芝製 USB 2.0専用(USB 3.0非対応)USBメモリー TOSHIBA USBメモリ16GB UHYBS-016GH TOSHIBA USBメモリ32GB UHYBS-032GH TOSHIBA USBメモリ64GB UHYBS-064GH ※8GBもありますが,VAIO Pro 13 のリカバリーメディア用には15GB以上が必要なので,上記3つのうちのいずれかになります. |
[4] | [SOLVED] Problems with booting (Ubuntu 13.10 on Sony Vaio Pro 13) |
[5] | ubuntu: AspireTimeline/Fixes - Community Ubuntu Documentation |
[6] | intel: ネイティブ・コマンド・キューイング(NCQ)とは? (2004-06-07) |
[7] | Wikipedia: Native Command Queuing (NCQ) |
[8] | 日経WinPC: Serial ATA の理解が深まる,NCQの仕組みを学ぶ (2007-05-07) |
[9] | @IT: Linux Kernel Watch 8月版 SSD をめぐる議論に浮かび上がるベンダ模様 (2009-09-08) |