Yahoo! Music Downloadでソニー独自形式ユーザはひと安心?

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Yahoo! Music Downloadでソニー独自形式(OpenMG/ATRAC3)も安泰?

もう,最近はなんといってもiPodですよね.携帯音楽プレーヤといえばiPod,パソコンに詳しい方はともかく,一般の方は「携帯音楽プレーヤには2種類あって,iPodとそれ以外」くらいに思っていそうなくらいiPodの浸透度は高いと思います.

CDだと1000円,ダウンロード購入だと210円

そんな世の中なのに,わたしはず~と昔(2003年2月)に買ったソニーのネットワークウォークマンNW-MS70D(写真)を使っています.当時はすでにRioやCreativeから1万円台のメモリオーディオがでていましたが,あえて5万円もするソニーのネットワークウォークマンを選びました(というかCreativeのNuVo 128MBから買い換えました).理由は単純でトータルコストが一番安くなると思ったからです.
わたしはカラオケ大好きなので,J-POPをシングルで大量に購入するのですが,CDを購入するとシングルで1,000円~1,200円程度かかってしまいます.これをレーベルゲート(現在はモーラ mora.jp)でダウンロード購入すると,1曲210円~367円で買えたので,50曲ほど購入するとネットワークウォークマンの方がトクになる計算です.
実際,わたしは1年ちょっとで200曲ダウンロード購入してプレーヤ代はすぐに回収できました.しかし,その後どんどん不安になってきたんです(今も不安ですけど).

ぐはっ,ソニーに囲い込まれた!?

ソニーのネットワークウォークマンで再生できる音楽ファイルは,OpenMG(オープン エム ジー)という著作権管理機能つきファイルに,MDで使われているATRAC3(アトラック スリー)という形式の音楽ファイルをつつんだような感じのファイルです(ここらへんあんまりよくわかっていません!正確な情報はOpenMGの公式サイトを見てください).
このファイル形式はソニーの独自のもので,他社のプレーヤでは再生できないのです.なので,今後もずーとソニー製品を買い続けないといけないのです.まぁ,これ,購入時点でもわかっていたことで,折込済みではあったのですけど…

※OpenMGは名前からしてホントはオープンな(すなわち他社にも公開されている)規格なのでしょうが,ほかのメーカーがどこも追従してないので,ソニー独自形式といわせていただいております….ATRAC3の方はMDのフォーマットなので,他社も同じ仕様で製品をつくれるはずです.問題はOpenMGの方だと思っています(これも認識間違っているかも…詳しい方がおられましたら教えてください).

Apple iPodの超人気でソニー独自形式がピンチに!

読めなかったのはiPodがこんなにポピュラーになってしまうことです.競争相手がRioやCreativeだったときは,Rioなどは一般の人たちにはなじまないだろうという気がしていて危険な感じはしなかったのですが,Apple iPodは全然様相が違います.およそパソコンとは縁遠いような人たちがユーザになっています.つまり,これまではソニーやパナソニックのポータブルCDプレーヤとかMDプレーヤを使っていただろう人たちです.こういう人たちはiPodさえなければ,きっとソニーのネットワークウォークマンのユーザになっていただろうと思うのです(ここらへんかなり勝手読みですけど).
これはソニー独自形式の資産をたくさんもってしまった人にとっては大ピンチです.なにしろOpenMG/ATRAC3がかつてのベータになってしまう可能性が見え出してしまったわけですからたいへんです.

黒船 iTune Music Store がくるまえに…

しかも,Apple iPodは,まだ実力の10%くらいしか出していません.というのは,ほんとにすごいインパクトになるのはiPod+iTune Music Storeが実現したときだからです.日本は今のところ誰かがiTune Music Storeの上陸を食い止めてくれているので,iPodに音楽を入れる方法は昔ながらのCDを買ってきて音楽ファイルをつくる方法に限られ,不便だし,お金もたくさんかかるので,まだ影響はたいしたことないといっていいと思います.
そのおかげで,先述のネットワークウォークマンにしてCD買わずにダウンロード購入すると安くあがる(1曲あたり差額800円,50曲でプレーヤ代回収)という計算は“まだ”なりたっています.だから,ソニー陣営としては今のうちに(iTune Music Storeが日本上陸する前に)OpenMG/ATRAC3形式のファイルを日本国民のパソコンの中に入れてしまい,OpenMG/ATRAC3の既存資産があるからiPodに移行できないという状態をつくってしまう必要があります.

救世主! Yahoo! MUSIC DOWNLOAD

その意味で,最大のポータルサイトであるYahoo!がレーベルゲート(モーラ)と提携してOpenMG/ATRAC3形式の音楽ファイルのダウンロード販売Yahoo! MUSIC DOWNLOADを開始したのは重要な意味があるように思います.
少なくともソニーユーザのわたしは,ほっとひと息つけました.

しかし,まぁ,ほんとどうしようかな…ソニーが将来ATRAC3形式の音楽ファイルを再生できるプレーヤの販売をやめます,なんていいださなければよいけど…

参考

実は,わたしがネットワークウォークマンを購入した2003年2月の時点で,avexなどはWMA形式の音楽ファイルのダウンロード販売もしていました.1曲の価格はレーベルゲート(現モーラ)とまったく同じ210円.しかし,ダウンロード購入できるWMAはデジタル著作権管理(DRM)機能つきのファイルになっていて,DRMつきWMAファイルを再生できるプレーヤがRioのものしかなく,けっこう高値なうえにサイズが大きいのがいやだし,なによりパソコンを買い換えたときにダウンロード購入したWMAファイルを新しいパソコンに移動させる方法が不明瞭(というかダウンロード販売しているサイトはすべて正式見解としては「ダウンロードしたパソコン以外では再生できません,移動する方法もありません」のようなことをいっていたので,選択肢としてはすぐに消えてしまいました.

コメント(2)

ソニックステージ等は著作権保護の関係上仕方なくファイル操作が難解になっていると良く耳にしますが、、。

そうなんです.この著作権管理機能(DRM)というのがいろいろ不便にしています.作家さんたちに正当な報酬が支払われないのはおかしいので,DRMは必要なのですが,今のままでは不便すぎます.OSが“移動はできるけど複製は作れないファイル”という機能をサポートしてくれれば,簡単になると思うのですけど….