アメリカでも売れてる日本のマンガ

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いきなりですけど,世界的に見たときの日本の得意分野て何でしょう?
車?家電? 昔ならいわゆるこういうモノになるんでしょうけど,最近は,マンガ,アニメ,ゲームなどの,いわゆるコンテンツ産業が日本の特徴になってきています.ゲームについてはいうまでもなく,任天堂やセガ,ソニーなどのゲーム+ゲーム機で世界中の子ども?が遊んでいますし,アニメは「千と千尋の神隠し」がグラミー賞をとったりしていますよね.

で,今回のテーマはアメリカにおける日本のマンガ事情についてです.アニメやゲームが世界中に広く認知されているのに比べると,マンガは明らかに出遅れている感じですけど,草の根的な人気をもっていて熱心な愛好家がいるようです.
世界最大の書店チェーンのバーンズ&ノーブル(Barns & Noble)には“Graphic Novels”というコーナーがあるのですけど,そのコーナーは ほぼ日本マンガの翻訳版が占領しています.日本産以外のマンガも少しだけ並んでいますけど,圧倒的多数は日本のマンガです.



マンガ コーナー.けっこう大きい おなじみのマンガが売られてます


あずまんが大王(メディアワークス・電撃大王) のだめカンタービレ(講談社・Kiss)

どんなマンガがおいてあるかというと…
ジャンプ系人気マンガ:少年ジャンプは(日本のものとは収録作品違いますけど)英語版がでていますので,「ナルト」「ワンピース」「遊戯王」「テニスの王子様」などのジャンプ系人気マンガはほぼそろっています.
テレビ アニメになっているものは だいたいあるようです.例えば「犬夜叉」(小学館・サンデー),「鋼の錬金術師」(エニックス・ガンガン),「ツバサ・クロニクル」(講談社・?)などです.「ギャラクシー エンジェル」(富士見・ドラゴンエイジ?),「フルメタル・パニック」(富士見・ドラゴンエイジ?),「D・N・Angel」(角川・アスカ)など深夜枠で放送されてマンガとアニメの内容が違うものでもおいてるようです.(「犬夜叉」のアニメはアメリカでも人気があるようです.他はたぶんアメリカの人は見てないと思うのですけど…)
驚くのが,マニアうけする作品の割合が高いことです.例えば「あずまんが大王」(メディアワークス・電撃大王),「げんしけん」(講談社・アフタヌーン),「のだめカンタービレ」(講談社・Kiss)くらいまでは,まぁアリかなと思いますが,「スクラップド・プリンセス」(通称「すてプリ」,富士見・ドラゴンマガジン?)や「リゼルマイン」(角川・エースかな?),「藍より青し」(少年画報・ヤングキング)など,日本でもそんなに有名なわけではない?(マンガ好きの中では有名かもしれないけど一般にはあまり知られていない?)作品がバリバリとおいてあります.逆に,ジャンプ,サンデー,マガジンなどの発行部数の多い雑誌に載っているものでも「ついでに読んでるよー」程度の作品はおいてません.まぁ,肝心の まんが雑誌が売られていないわけですから,当然といえば当然ですけども….

ためしに「あずまんが大王」と「のだめカンタービレ」を買って読んでみましたが,訳もよくて楽しめます.たとえば「あずまんが大王」の場合,オリジナル日本語版では英語の先生の ゆかり先生が,英語版ではスペイン語の先生になっていたりします(でも,途中で一時的に英語の先生にもどっていたり….翻訳してる途中で英語版ではスペイン語の先生にするという設定にしたことを忘れちゃったんですね).

バーンズ&ノーブルの在庫品についてはWebでも調べられますので,みなさんの お気に入りのマンガがアメリカでも読まれてるかどうか調べてみてくださいね.

おまけ
アメリカらしいなぁ,と感じるのが,どのコミックにも年齢制限を示す“レーティング”がついていること.レーティングによれば「あずまんが大王」は13+(13歳以上),「のだめカンタービレ」は16+(16歳以上)でした.昔バーンズ&ノーブルがマンガを店頭におくかどうか議論した際に一番悩んだのが,暴力シーンと性的表現が多すぎることだと聞いていますが,こういう風に解決したのですね.


のだめカンタービレは16+

日本ではマンガ・アニメ・ゲームは3点セットな感じですが,アメリカでは,マンガはゲームやアニメに比べると明らかに一歩さがります.日本の雑誌などでは海外でも“マンガ(MANGA)”という単語が通じると紹介されていることがありますが,実際に身近な人をつかって確認してみると,通じにくい印象です.確かに知っている人はいますが,今のところ日本ツウの人や そのスジの人には通じるといった感じです.“アニメ(Anime)”(英語のアニメーションではなくて和製英語のアニメ)や“ファミコン(Famicom)”が誰にでも通じるのに比べると,やっぱり通じ方がビミョーに苦しい感じです.まぁ,日本以外の国では日本ほど熱心にマンガを読む習慣がないので,仕方がないところでしょう.

アメリカの本屋さんのマンガ コーナーには,古い作品はあまり並んでいません.というのがアメリカの書籍は日本のような再販制度(出版社側が価格指定して値引きを認めない販売方法)がありませんので,価格の維持が難しく,書店は古い本をもちたがらないからです.このへんも日本とアメリカでは事情が違いますね.

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アメリカやヨーロッパで日本のアニメがブームになっているのは知っていたけど、マンガがこんなに出ているのにはびっくり!歴史物のマンガとかもでているのかな?

日本のものが好まれて読まれたり使われたりすると、なんかチョピリ嬉しいでありますね(`・ω・´)

アメリカにも日本のマンガコーナーなるものがあるとは知りませんでした。「サザエさん」とかだったら、アメリカの人には「what?」ってなりそうですよね。

歴史物のマンガって,あ,あれ? まんが日本の歴史? なつかしーって,違うか.三国志とかのことですよね.残念ながら歴史物はないです.歴史物ていう分類自体はあるんですけど「るろうに剣心」とか「西遊記RELOAD」みたいな時代がかった衣装のキャラクタがでてくるものを分類していて,三国志とか宮本武蔵とかみたいな本格的なものはありませんでした.想像ですが,こういう分野は翻訳が難しかったり,解説ページがたくさん必要になったり,小説版が強敵だったりするので避けられてるんじゃないでしょうか.

miさん,ぼくもうれしいであります.日本では買わないキティちゃんのバブル バスも買っちゃいそうになるくらい うれしいであります.しかも,マンガやアニメ,ゲームなんかは車とかと違って 文化圏が違うと よさをわかってもらうのが難しい気がするので,格別でありますよ.そうそう,アメリカは車が好きな人が多いので,イニシャルDのアニメなんかを熱心に見てる人が多いであります.もち,マンガもあります.

すすむさん,ぼく実はサザエさんのマンガって読んだことないです.マンガ版ではタラちゃんの足音ってどんな感じに表現されてるんでしょう? 文字では表しにくい音がしますよね….

のだめ大好きなんです!!でも、何で16歳以上なんでしょうね?ちょっと複雑な気持ち・・・でも、なんだか嬉しいですね(^^)

日本の漫画がアメリカを始め、世界に進出してきてる事は、漫画描きこってり、にとって嬉しい限りです。日本の漫画、外国の漫画問わず、もっともっと漫画がアニメ、ゲーム、それ以上に、エンターテインメントとして様々な人たちの中に、広がってくれたら嬉しいです。見た感じ、アメリカとか、ヤンマガ、スピリッツなどのヤング誌、青年誌系のコミックは少なそうですね。どうなんでしょう?

めいさん,のだめ好きでしたか,最近日本では のだめブランドのクラシックCDもでてるようですし,人気出てきてるみたい.アメリカではまだ2巻までしか出てませんけど,見た感じレーティング上問題になりそうな感じの表現は出てないように思うんですけどね…不思議です.掲載誌傾向から将来そういう表現が出るかもってことで高めなのかな.

こってりさんの作品がアメリカで読まれる日も近い!?☆ 青年誌の作品は少ない感じです.前述のイニシャルD,少年画報ヤングキングのトライガン マキシマムとヘルシングがあるくらいでしょうか.ヤング誌の特徴である巨編ストーリーもの(例えば沈黙の艦隊みたいなもの)は見つかりません.理由はいろいろあると思いますが,今のところアメリカのマンガ読者が日本産のマンガに期待してる方向性とは少し違っているんだと思います.誰かが突破口を開けば状況変わってくると思いますけど….