代表取締役/代表権をもたない取締役

代表取締役[1]

社長,専務,常務

法律上は…

所有と経営の分離(所有と支配 = governance の分離[4])

所有者=株主は,有限責任=出資金以上の責任を免除されたいため,範囲を超えて権限を行使できない仕組みになっている必要がある.むちゃくちゃやったけど免責というのではひどいので.そのため,経営者=実際に執行する人を分離する.実際には経営者も株主だが,経営者の顔と株主としての顔は使い分けている.

経営者=取締役は,株主総会で選出されて経営・執行を任される(委任される=雇用ではなく委任される).会社には様々な利害関係者がいる.ゆえに,取締役としても いろいろな人が送り込まれてくる.例えば,海外進出を急ぐべきだと考えている勢力から送り込まれてくる取締役と,国内の地盤固めが重要だと思っているグループから送り込まれてくる取締役などのように対立する意見をもつ人が混在する.あるいは,株主ではなく,大口の融資している銀行が,この人を取締役に指名しないと融資しない・資金を引き上げるといってきて押し込んでくる人もいる.銀行から送り込まれた取締役会は,当然むちゃくちゃなお金の使い方をしていないかを見張っている.

株主は,会社からのアガリを分配してもらう権利をもっているが,他人のお金もごちゃまぜになっている状態なので,だれかが経営に特別に強い権限をもっている状態は好ましくない.このような考え方から,本来の欧米式の考え方では,平等の権限を有するはずの個々の取締役に対して,「社長」「専務」などの序列を与えて心理的に牽制する場外乱闘のような慣習は望ましくないと考えられている.

現代的な巨大企業では,所有者=株主は経営の意思も能力ももたず,株主総会で意思決定をするというよりは,不満があれば株を売却して離脱するのが普通になってきた[4].

経営と執行の分離

委員会設置会社では,取締役会は決定と監督に専念している.業務の執行権限はもっていない.通常の株式会社の代表取締役に相当する役職は「代表執行役」がいる.

Links

[1] 代表取締役
[2] 役員(会社)
[3] 社員
[4] 所有と経営の分離
[5] 役員(会社) - 執行役員

はたいたかし
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2014-07-04
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