小学館が既存雑誌の電子版同時リリースを準備中

ニュース要約

雑誌名 正確な雑誌名は不明だが,第1弾は現在 紙で出版されている生活情報月刊誌らしい. さらに別の娯楽系月刊誌の電子版も作る予定とのこと.
電子版リリース
開始時期
2006年10月.年内に3誌まで増やす予定.
出版日程 紙媒体のものと同一日に発行したい考えのようだ.
価格 紙媒体の価格と同じ.
フォーマット Zinio Reader マガジン形式(詳細こちら→Zinio) 紙媒体の紙面イメージとまったく同じ感じに見えることを意識した新しいフォーマット. アメリカでは“BusinessWeek”“PC Magazine”などの非常に発行部数の多い雑誌の電子版がこの形式を採用している. アメリカで販売されている“PowerMac G5”には“Zinio Reader”がプリインストールされているらしい.
※PDF(eBook)との違いは?
販路 Fujisan.co.jp(※小学館サイトでは販売しないらしい)
紙媒体の雑誌のネットショップとして有名だが, 電子出版の販路としてはマイナー.
パピレスPDABOOK.jpなどの 既存の電子出版物販売サイトで売らないのはなぜ?

小学館の狙い

インターネットの普及により しぼんでしまった雑誌の市場の再掘り起こし.

インターネット時代以前なら,ちょっとした余暇時間に雑誌をペラペラめくって眺めていた人とか少なくなかったように思う. それがインターネットが普及してからは,ちょっとした余暇時間にはインターネットで Webページをブラブラ ブラウズしている人が増えており, なんとなく眺める情報誌などの市場はどんどん縮小しており, 廃刊に追い込まれたり,雑誌の刊行をやめてネット上での情報提供に切り替えたりしなければならなくなった雑誌が増えている. この流れを少しでも雑誌のほうに巻き戻すために紙媒体ではなく電子媒体での提供が効果がありそうだと踏んでいるのだと思う.

私見

ひと昔前なら,小学館のような大手出版社が真っ先に考えそうな “電子版を同じスケジュールで提供してしまうと(コピーが出回ったりして)紙媒体の雑誌の売り上げを圧迫してしまうのではないか” というような心配は時代錯誤だと気づいたのかもしれない. たとえば最悪コピーが出回るようなことがあっても,実質の発行部数が大きくなれば広告収入が押しあがるだろうから, 悪いことばかりでもないだろう.

ネット上ではGoogleのように,ユーザには無償でサービスを提供することで利用者を増やし, その利用者数をバックに広告収入をかせぐビジネスモデルが確立いているし, 紙媒体の世界でもR25のようなフリーペーパーが同じビジネスモデルで絶好調となっていることから, 大手出版社も発想の転換が求められていることを認識しつつあるのかもしれない.

難しいかもしれないと考えられるポイント

もしかしたら面白いかもしれないと思えるポイント

参考リンク


はたいたかし
2006-07-26
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