[Ctrl]+[A]の押し方

[Ctrl]+[A]のような組合せでキーを押すとき,各キーをどの指で押えていますか? 例えば,大文字の「A」を入力する場合,[Shift]+[A]というコンビネーションでキーを押えることになるのですが, 左右どちらの[Shift]キーを押していますか?

標準的なタッチタイピングで大文字の「A」を入力する場合, 「クロス打ち」(下図参照)と呼ばれる方法で押えるのが正しい方法だと言われています. クロス打ちというのは,[A]のように左手で押す位置に組み合わせるキーがある場合,[Shift]キーは右手で押えるという押え方です.

これを参考にすると,[Ctrl]+[A]を入力する場合は,下の図1のように右手で右側の[Ctrl]を押し, 左手で[A]を押すのがよいということになります.

図1: クロス打ち

でも,みなさん,本当にこのように押えておられるのでしょうか?


図2: 左手小指で[Ctrl]

NEC製の昔のコンピュータ(いわゆる98)では,[Ctrl]キーは左側にひとつしかなかった (現在標準的に使われている109日本語キーボードの[CapsLock]キーがついている位置にひとつだけだった)から, クロス打ちは物理的に不可能だったのです. NECの98を使っている場合,[Ctrl]+[A]を入力するには,図2のように左手の小指で[Ctrl]を押え,左手の薬指で[A]を押えるしかありません.

このように押えると通常のタッチタイピング時の押え方とは指とキーの対応が違ってきてしまいます. 例えば[A]は本来小指で押えるキーですが,小指で[Ctrl]を押えているため,薬指で押えるしかありません. このように,[Ctrl]とのコンビネーションが発生したときには,左手で押える位置にあるキーは, かなり変則的な押え方をせざるをえませんでした.

では,[Ctrl]とのコンビネーションのときはタッチタイピングを継続できなくなるのかというと,そうでもなかったように思います. このような変則的な押え方でも体が自然に覚えてしまいますから,[Ctrl]キーとのコンビネーションが発生しても, そこだけ無意識のうちに「変則タッチタイピング」でタイピングしてタッチタイピングを続けることができていたのです. 私もかつてNEC98を使っていたときには,何の問題もなくこの変則タッチタイピングができていました. また,いまだにNEC98風のキー配列にして左手小指で[Ctrl]を押えている人が少なくないことからも, この変則タッチタイピングがそれほど難しくないことがわかります.

図3: 第3関節(MP)で[Ctrl]

ところで,現在の私は標準的な109日本語キーボードを使っていますが,[Ctrl]+[A]を押す場合, 図3のように左手小指の第3関節(MP)で[Ctrl]を押えたうえで, 通常のタッチタイピング時と同様に左手小指で[A]を押えるという方法でタイピングしています. 文章で書くとえらくアクロバティックな押え方のように聞こえてしまいますが, 実際にやってみると「小指の第3関節で押える」というのはそんなに難しないことがわかると思います. 本当はクロス打ちに矯正すべきなのでしょうが,この方法なら手をホーム・ポジションから離さなくてもよいから楽だし, とくに不都合もないから気に入っています[].


109キーボードをよく観察してみると,特殊キーの中には,[Shift]や[Ctrl],[Alt]のように2個ずつついているものと, [Tab]や[Esc],[CapsLock]はひとつずつしかついていないものとの2種類があることがわかります. また,2個ついているものはクロス打ちできるように左右に1個ずつ配置されています. 109キーボードに[Ctrl]と[Alt]が2個ついているということは, IBM-PCのキーボードを設計した人が[Ctrl]や[Alt]キーは [Shift]と同様にコンビネーションで使うことを想定していたということでしょう[]. でも,ユーザていうのは,なかなか設計者の思惑通りにはなってくれないものなのでしょうね(;^_^)


Takashi HATAI
Jun. 2, 2000
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