同点・同着. もともとは競馬の用語で同着を意味する. 日本語のデッドヒートとはちがい,接戦の意味はなく, プロ野球で同率1位(つまり1位が2チームいて次は3位になっているような場合)とか レースなどで同着2位(2位が二人いて次が4位になっている場合)とかいうときに使う. デッドヒートといったときに, 日本人は思わず“死に物狂いの”争いって感じを受けてしまって接戦というイメージになっちゃったんだろうけど, 英語的にはヒート(激しい競り合い)がデッドした,つまり接戦の結果がつかなかった=同着といってる.
日本語のデッドヒートは,a close race [contest]のように表現する.
…と,まぁ,辞書なんかを読みまくってると,こんな感じの話になるんだけど, 実際にはもっといい加減で日本語と同じように そもそも ほんとに完全に同着なんてことは,あんまりないわけで,同着のようにきわどかった, すごいきわどく白熱したレースだったの意味に使われるのは 言語のあいまいさを考慮すれば当然かも.
これについては, 現代英語教育フォーラム(著)『和製英語矯正ギプス』に以下のような説明がのっている.
「デッド・ヒート」 deadheat
『この言葉の意味は「二者同着」なので,「接戦 neck-to-neck」の状態を表現するときにこれを使うのは誤用』 と解説している書物が多いようだが,少なくともアメリカではdeadheatとneck-to-neck(=neck and neck)は ほとんど同じ意味で使われてる.
(出典) 現代英語教育フォーラム(著):『和製英語矯正ギプス』,COLUMN 7. 正しい英語なのに和製英語だと思われている言葉たち(p. 137). [この書籍は娯楽書としての側面が強いため記述の正確さや検証方法には若干あやしい部分があるかもしれないことに注意.]