北朝鮮 核開発年表

1980年代後半 共産圏が退潮→冷戦集結→核開発本格化
2006 核実験に成功
2011 金正恩 継承
2013-02 3回目の核実験に成功.核ミサイルの完成を宣言.
2016-01 4回目の核実験に成功.対米抑止力の大幅な強化をアピール,アメリカとの緊張が高まる.
2017-01-01 金正恩が「新年の辞」で「年内にアメリカ本土まで届くICBMの完成」を予告.
2017-01-20 トランプ大統領就任
2017-02-13 新型中距離弾道ミサイル「北極星2」の発射実験を実施.固体燃料式.ノドンの代替として実戦配備されると予想される.
2017-03〜04 米韓合同軍事演習 Key Resolve/Foal Eagle(毎年恒例の行事)
2017-03-18 新型 液体燃料式ミサイル エンジンの陸上での燃焼実験に成功.金正恩に「3.18革命」と絶賛される.このエンジンは後の 火星12, 14, 15 に流用されたと推定される.1月1日の「アメリカ本土まで届くICBM完成」の予告は このエンジンのことを指しているものと推定される.
2017-05-10 韓国で文在寅政権が発足.北朝鮮とは融和路線.
2017-05-21 北極星2の2回目の発射実験を実施.
2017-05-22 北極星2の量産および実戦部隊化を宣言.
2017-06-24 文在寅が平昌オリンピックでの南北合同チームの結成と開会式での合同入場行進構想を発表.7月3日にはIOCに北朝鮮の平昌オリンピック参加への協力を要請.
2017-07-04 新型ICBM「火星14」の発射実験.ロフテッド軌道で日本海に着弾.通常弾道に換算すると6700kmと推定.
2017-07-28 火星14の2回目の発射実験.射程9000km.
2017-08-09 金正恩「弾道ミサイル4発のグアム周辺への発射を慎重に検討」と発表.
2017-08-29 火星12の2回目の発射実験.日本列島を飛び越える軌道で発射したが,何らかの理由で飛距離が2700kmにとどまった.グアムに届くことを実証する意図があったと思われるが失敗?
2017-09-03 6回目の核実験.推定160〜250kt.従来より1桁威力があがっており,新型の水素爆弾が完成したと考えられる.
2017-09-11 IOCが北朝鮮の平昌オリンピック参加を歓迎すると発表.
2017-09-15 火星12の3回目の発射実験.前回同様,日本列島を飛び越える軌道で 3700km 飛ばし,グアムを射程内に収めたことを実証.火星12の実戦配備を宣言.
2017-11-29 新型弾道ミサイル「火星15」の発射実験.推定射程 13,000 km を実証.米国本土全体を射程に収めた.金正恩は「核武力完成の歴史的大業を果たした」と宣言.これを機に核実験・ミサイル実験を停止している.
2018-01-01 金正恩「新年の辞」で南北融和を呼びかけ平昌オリンピックについても言及.対米核抑止力誇示のための核戦力量産宣言.
2018-01-09 北朝鮮が平昌オリンピック参加表明.
2018-01-09 平昌オリンピック.
2019-02-28 米朝首脳会談@ハノイ.北朝鮮の非核化について溝が埋まらず,合意文書の署名を見送る.
2019-05-04 9M723 Iskander-M または KN-23 と見られる複数の SRBM を発射.高度 60 km,距離 240 km 飛行し,日本海上に落下.
2019-05-09 9M723 Iskander-M または KN-23 と見られる2機の SRBM を発射.高度 50 km,距離 420 km 飛行し,日本海上に落下.
2023-11-21 衛星打ち上げ用ロケット「千里馬1号」(Chollima-1)打ち上げ成功. 偵察衛星「万里鏡1号」の軌道投入に成功.

北朝鮮が保有する弾道ミサイル

分類 型式 射程 核弾頭 [kt] エンジン 誘導方式
SRBM Scud 130-700 12-70 液体燃料 慣性誘導
Scud ER 1000 12-70 液体燃料 慣性誘導
9M723 Iskander-M 400-500 固体推進剤 慣性誘導/GNSS誘導(GPS誘導)
KN-23(通称「北朝鮮版 Iskander-M」) 240-690 固体推進剤 慣性誘導/GNSS誘導(GPS誘導)
MRBM ノドン(火星7) 2000 12-50 液体燃料 慣性誘導
北極星2 2000 不明 固体燃料ロケット 不明
IRBM プロトタイプ テポドン1(銀河1) 2000 --- 液体燃料 慣性誘導
プロトタイプ 銀河2(テポドン2) --- --- 液体燃料 慣性誘導
プロトタイプ 銀河3(テポドン2改良型) --- --- 液体燃料 慣性誘導
ムスダン(火星10) 3200-4000 12-50 液体燃料 慣性誘導
火星12 3000-5000 不明 液体燃料 慣性誘導
ICBM 火星14 8000 不明 液体燃料 不明
火星15 13000 不明 液体燃料 不明

北朝鮮 ロケット/弾道ミサイルの技術系列

北朝鮮のロケット/弾道ミサイルには大別して4つの技術系列がある[1].

  1. ノドン/テポドン系列
  2. 火星10(ムスダン)系列
  3. 北極星シリーズ
  4. 千里馬1号(Chollima-1

参考文献

[1] 軍事研究 2024年2月号,野木恵一「執念実る!衛星打ち上げと大型ロケット技術」

はたいたかし
http://exlight.net/
2024-01-14 千里馬1号の情報を追加.北朝鮮のロケット/ミサイルの技術系列を追加.
2019-08-14 Iskander-M/KN-23 の情報を追加.
2019-09-10

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