HULFT 調査メモ
※HULFTではファイルの「受信」のことを「集信」といいますが,ここでは一般的に使われる「受信」という語で記載しています.[HULFTは非常に多機能で,FTPなどとちがって単に受信の範囲を超えているため,データを収集する間に生じる種々の操作も含めていろんなことをやるという意味で「集信」という用語を用いているのだと思われます.]
概要
- ファイル転送によるデータ連携ミドルウェア.
- 国内デファクト スタンダードとのこと(大本営発表ですけど).
- 国内のすべての SIer から買えるルートがあると思ってよさそう[HULFTパートナー一覧].
- 相手を選ばない幅広いサポート範囲
- 各社 UNIX, Linux, Windows は もちろん,z/OS, MSP, VOS などのメインフレーム,i5/OS などのミッドレンジ コンピュータとのファイル連携もサポート.
- AWS とも連携可能(AWS は Linux か Windows だろうから当然かも?)
- NAS においてあるデータも集配可能.
- 間欠転送による帯域制限.
- 転送データを圧縮してから転送→受信後展開のような転送の効率化を自動で実施.複数ファイルをアーカイブして ひとつにまとめてから送信なども自動でやってくれる.
- ファイル更新を検出してファイル転送や遠隔バックアップ.
- 多拠点に一斉配信.最大1000箇所までサポート.
- 複数の拠点から集めたファイルを連結してひとつのファイルにする.
- ファイル集積側で受け取ったファイルの世代管理が可能.
エラーリカバリー機能
- 途中でエラーが起きたら続きから.
- 送ろうとしたら受信側が電源OFFになっていたような場合,受信側の電源がONになったことを検出して配信再開.
- ネットワーク障害などで通信がうまくいかなかった場合のリトライ処理もやってくれる.
- 配信前ジョブ,配信後ジョブ,受信後ジョブを設定できる.配信後ジョブと受信後ジョブは配信・受信がうまくいったか・いかなかったかで,実行するジョブを振り分けることができる.
#HULFT自身のプロトコル/API等は開示されていないが,例えば受信後ジョブに連携用のアプリケーションを指定してもらうことである程度の連携は行えそう.配信元は海外を含む多拠点にあり各々事情もまちまちなので対応しづらいが,受信側は巨大な1サーバーで対応しているというケースが多く,こちら側に何らかの仕掛けを仕込む手はありそう.
- ファイル転送の際にメッセージを添付することができる.メッセージは受信後のファイル名の一部につかったり,受信後ジョブのパラメタとして使用したりできる.
- 簡単なリモートジョブ実行の機能もついていて,ファイル配信をともなわないリモート ジョブ実行もできる.[おそらく「ファイル受信後ジョブだけ もう一度走らせたい」などの要求があるためだと思われますが,現場で どのように利用されているのかは不明.]
データ変換機能
- 文字コード変換
- ASCII
- UTF-8, Shift-JIS, EUC
- EBCDIC, KEIS, IBM漢字,NEC漢字,JEF(富士通のメインフレームで使われていた文字コード)
- フォーマット変換
固定レコード形式のファイルのフォーマット変換もできる.
- マルチフォーマット変換
1ファイル中に複数のフォーマットのレコードが混在していても,各レコードがどのフォーマットになっているかを見分けるためのキーとフォーマット定義を設定することで,レコードごとに適切なフォーマット変換をやりながらファイルを転送することができる.
セキュリティー
- AES暗号(別途 AES暗号オプションの購入が必要).
- 転送前データと転送後データのハッシュをとり,途中経路での改ざん/欠落等を検出.
- J-SOX法対応の操作記録ログ管理機能.
- 送信側ホストを識別し,ジョブ実行要求の許可・拒否を判定.
- HULFT-HUB を使って Firewall 越しのファイル連携をシンプルにできる.イントラ内とDMZ側に1台ずつ HULFT-HUB をおいて,Firewall を越える部分は HULFT-HUB 同士のみにすることで,イントラ内外の配信先の増減があっても Firewall の穴あけをやり直さなくてよくなる.
管理機能
- 連携先や連携内容をドキュメントとして出力することができる.
- HULFT Manager を利用して複数台の HULFT を一元管理できる.
Links
はたいたかし
http://exlight.net/
2014-01-22