頑丈な金属製の容器で,気体や化学物質を保管しておくために使われるもののこと. 実験室とか病院とかに液体窒素がはいっているボンベがおいてあることがあるけど, あのボンベのことを英語ではキャニスターと呼ぶらしい(日本語ではボンベと呼ぶのが普通と思うけど).
フタつきの缶・プラスチックまたは陶器製の容器のこと. コーヒー,紅茶,砂糖,小麦粉などを入れておくのに使う. 缶ピースの缶みたいなもののこと.
銀塩フィルムをしまっておくための缶のこと. この意味のキャニスターは主に3種類あって, (1)昔35mmフィルムを買ってくると,乳白色の独特の容器にフィルムがはいっていたのだけど, あの乳白色の容器のことをキャニスターと呼んだり (日本では乳白色が普通だったと記憶してるけど,Google Imageを見るとアメリカでは黒が普通かもしれない), (2)あの乳白色の容器内のフィルム自体が入っているケースのことをキャニスターとよんだり, (3)映画用のオープンリールのフィルムを収める平べったい缶のことをキャニスターと呼んだりしているようだ. いずれにしてもフィルムを感光や劣化から保護するためのケースという概念らしい.
散弾銃の散弾ではなく,昔の大砲に装填していた散弾のこと. 昔の大砲は(今でも戦艦の主砲などのような大きな砲はそうだけど), 火薬が入った袋と弾丸そのものは別れていて別々に装填するようになっているのだけど, この方式で散弾を使う場合,円筒形のコンテナに散弾を詰めた状態になっている. この円筒形のコンテナのことをキャニスターと呼んでいた. 今ではこういう弾は使わなくなったので,アメリカ南北戦争とかナポレオン戦争とかの詳細な記述の中に出てくる程度になっている.
ちなみに単に弾というときはバレット(bullet),ショット(shot)は散弾, シェル(shell)は破裂弾(弾頭の中に小さな金属球が入っていて硬いものにぶつかると中身がはじけだす仕組みの弾)を隠喩するようだ. ただし,一般人の会話を聞いていると,散弾銃の散弾もシェルと呼んでいることが多いように思う. ショットガン=散弾を撃つための銃なんだから,散弾をショットと呼ぶのは合理的にも思えるんだけども….
大砲で,散弾と通常弾(鉄鋼弾)の区別をつけたいときは,キャニスターショットとソリッドショットと呼び分けているかもしれない.
つづりから一瞬can(缶)の派生語かと思うけど, Oxfordを見るとラテン語でバスケットを意味するcanistrumという語からできた語ということになっているようだ. だから容器の素材は金属でなくてもよいのだろう.
ボンベはドイツ語の“bombe”からきている. ガスボンベとかいうときのボンベ(プロパンガスとかがはいっているボンベ)は, 英語ではガスシリンダー(gas cylinder)という表現が普通かもしれない. COBUILDでシリンダー(cylinder)をひくと,円筒,ガスシリンダー,エンジンのシリンダーの3つの説明がでてくるので, このガスシリンダーという言い方は相当に使われるものだとわかる. Oxfordは,円筒,エンジンのシリンダー,ガスシリンダー, プレス印刷機のシリンダー(日本語ではドラムとかローラーとか呼んでいると思う)の4つを紹介している. Oxfordによれば,シリンダーの語源はギリシャ語のローラー(roller)の意味だそうだから,日本語の表現も,まぁ,正しい.
ダイビングに使うボンベはアクアラングという商標名で呼ぶのが普通.
ローラーで思い出したけど,英語ではキャスター(castor/caster)のことを, ローラー(roller)と呼ぶこともある(キャスターの方が普通の表現だと思うけど). ローラーコースター(日本語のジェットコースター)のローラーは, ローリングする(旋回する)からローラーなのか,キャスターがついているからローラーなのか,どっちなんだろう. たぶん前者だと思うんだけども….
単語 | 意味 |
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smoke canister | 発煙弾. [スプレー缶みたいな形をした煙がでる発煙弾. 煙がでるキャニスターなので,スモーク キャニスター.手榴弾みたいに投げて使う.] |
cartridge | 薬莢(やっきょう). |