株立ち

たぶんヒメシャラ 撮影 2021-05-23 天子の森（田貫湖周辺）

• 稲（イネ）のように根っこ部分から複数本の細い幹が束になって生えている形状のこと．
  • 通常の1本の独立した形状の木は「単幹」「一本立ち」と呼ぶ．
• 庭木や公園などでは人工的に株立ちをつくることもある．というか庭木などの場合は人工的なものが多い．
• 自然に株立ちになる樹木には下記のようなものがある．
  • ツツジ（ヤマツツジ）
    • 山に生えてるツツジは だいたいヤマツツジ．日本に自生するツツジでは最も大型で 6 m くらいまで育つ．株立ちになることが多い．
    • 公園などの生け垣に植えられているツツジはオオムラサキツツジ． 大きくなっても せいぜい 2 m くらいと扱いやすく，車の排気ガスをバンバンあびせられても大丈夫と市街地に最適． なんだけど なんとなく地味で いまいち華やかさに欠ける． たぶん株立ちは珍しい．
  • アブラチャン
    • 油っぽいからアブラチャン（本当）．
    • 丹沢山に多い[参考]．
    • もしかしたらアブラチャンだけは全個体が株立ちかも．そもそも幹が太くならない感じで単幹にはならない？
  • ヒメシャラ
    • 幹の皮がむけてツルツルになることがある．そのため，ヒメシャラをサルスベリと呼ぶ地方もある．
    • ヒメシャラの「シャラ」は平家物語に「沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす」とでてくる「沙羅双樹（さらそうじゅ）」のこと． ただ，本当の沙羅双樹はインド原産のため日本は寒すぎて育たない．しかたないので「ナツツバキ」を沙羅双樹 = 略してシャラと呼ぶことにした． ヒメシャラ（姫シャラ）は「小さいシャラ」という意味…なんだけど最大 15 m とかになるらしい．姫じゃない方のシャラ，どんだけデカイんだって話 (^_^;)
  • ナナカマド
    • 紅葉時期の明るい朱色の葉がとても華やか．モミジやブナとならんで山の紅葉を彩る代表選手…というかもはやエース級．
    • 材が固く7回かまどに入れても燃え尽きないことからナナカマドという名前になったという説がある．
  • イロハモミジ
  • シロモジ
  • ハシバミ
    • ヘーゼルナッツが採れる木．
  • アオハダ
  • アオダモ
  • ヤマボウシ
  • エゴノキ
• 株立ちになりやすい樹種でも すべての個体が株立ちになるわけではない． 株立ちになったり単幹になったり，あるいは樹齢が若いときだけ株立ち状だったりする．
• 小ぶりな細身の木に多いイメージだけど，ブナやナラなどの巨木でも株立ちのものは普通にみつかるので，一概にはいえない．

3種類の株立ち

• 4種類に分かれる株立ち樹形